こんにちは、株式会社PentagonでUIデザイナー/Webデザイナーをしている小牧です。
みなさんは「CTA」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
WebサイトやLPの制作をするとき、最も重要なのがこの「CTA」の部分です。
この記事ではCTAの目的と構成要素、改善ポイントを、特にテキスト(マイクロコピー)に絞って紹介していきます。
【こんな人に読んで欲しい】
- サイトやページのCV(コンバージョン)を増やしたい人
- 今まで何となくボタンをデザインしていたデザイナー
- マイクロコピーについて知りたい人
【この記事を読むメリット】
CTAの役割や構成要素、テキスト(マイクロコピー)の改善ポイントが学べます。
【結論】
CTAの構成要素としては下記の3つがあります。
- テキスト(マイクロコピー)
- デザイン
- 配置
サイトを訪れるユーザーの目的は様々なため、上記の要素をユーザーのニーズに合ったものにすることでCTA改善につなげましょう。
中でもマイクロコピーはユーザーへ行動を促す重要な要素であり、改善ポイントは次の4つです。
- 「何が起きるか」を明示する
- 「どんな利益があるか」を明示する
- 心理的ハードルを下げる文言にする
- シンプルな言葉にする
この記事では特にマイクロコピーについて詳しくご紹介します。
CTAとは?
CTAとは「Call To Action(コール トゥー アクション)」の略で、日本語でいうと「行動喚起」という意味です。
ユーザーにとってほしい行動を促すためのフックとなるもので、
- ボタン
- バナー
- テキストリンク
といった形式があります。
「CV(コンバージョン)」と混合しがちですが、CVはそのサイトの目的自体、CTAはその目的を達成するためのフックとなるものです。
例えば一般的なアパレルのECサイトであれば
CV・・・服を購入してもらうこと
CTA・・・購入へつなげるためのボタン、バナー、テキスト
といった形になります。
CTAボタンの目的
商品購入、問い合わせ、会員登録など、目的(CV設定)はそのサイトそれぞれにあります。前述したようにCTAはCVへ繋げるためのものですので、CTAも当然連動したものが必要です。
例えば、目的によって下記のような種類があります。
- 商品を購入させるためのCTA
- お問い合わせへ繋げるためCTA
- ユーザーを別のページに誘導するためのCTA
- SNSで拡散してもらうためのCTA
- 会員登録/メルマガ登録など、ユーザーを見込み客にするためのCTA
サイトの目的が何かを明確にし、どんなCTAが必要かを検討しましょう。
ユーザー視点に合わせたCTA
上記の目的はサイト運営側の目的(CV)であって、必ずしもユーザー(サイトの訪問者)の目的と一致しない場合があります。
例えばアパレルのECサイトであれば「服を購入する / してもらう」という目的は合致しています。
一方、ブログ記事から自社の問い合わせへとつなげたいといった場合には、「情報を得
る」というユーザーの目的と「問い合わせをしてもらう」という運営側の目的とは合致しません。
特に後者の場合、明らかに自分の目的と合致していないボタンをユーザーがクリックする可能性は低いと考えられます。そのためユーザーの目的をしっかりと理解し、その上でどんな利益を提供できるかをCTAで提示することでCVアップが期待できます。
ユーザーの目的を把握するためには、カスタマージャーニーを使って考えることが効果的です。
カスタマージャーニーとはマーケティングの1つの手法です。ユーザーの行動(認識・検討・決定)を時系列で分け、それぞれのステージでの行動や心理について一覧にまとめたものとなります。
CTAの構成要素
CTAを検討する際には、下記の3つの構成要素をそれぞれ考えましょう。
- テキスト(マイクロコピー)
- デザイン(ボタンかバナーか、カラー、形、アイコン、クリック時のアクションなど)
- 配置(上部ヘッダー、下部フッター、固定、コンテンツの最後、コンテンツ内など)
今回の記事では、特にテキスト(マイクロコピー)に絞って説明をしていきます。
マイクロコピーとは、購入ボタンや入力フォームなどのボタン、あるいはその周辺にある短いコピーのことを指します。
マイクロコピーの改善ポイント
マイクロコピーの改善ポイントは、下記の3つです。
- 「何が起きるか」を明示する
- 「どんな利益があるか」を明示する
- 心理的ハードルを下げる文言にする
- シンプルな言葉にする
①「何が起きるか」を明示する
ボタンを押すと何が起きるかを明示することは、行動のハードルを下げるためにとても重要です。
仮に「もっと詳しく」というボタンがあったとします。
ボタンにこの文言だけ書いてあっても、ユーザーが次のアクションを想像しにくいですよね。
この問題を解決するために、ボタンには「ネクストアクション」を詳細に記載するようにしましょう。
例を挙げると以下の2つです。
・詳しい資料をダウンロードする
・〇〇についての詳細ページはこちら
ボタンにこのようなテキストを使うだけで、ユーザーがより次の行動をイメージしやすいCTAとなります。
②「どんな利益があるか」を明示する
前述したように、サイトを訪れたユーザーの目的が必ずしもCVと合致するわけではありません。
その場合はユーザーの目的をしっかりと理解した上で、CVによってどんなプラスの利益が得られるか?を記載することが効果的です。
ユーザーの目的と完全に一致はしていなくても、関連するベネフィットを提供できることを明示しましょう。
「無料」や「期間限定」などといった「お得感」をベネフィットとして付け足すことも有効ですが、そもそも目的と乖離したアクションは取りづらいことに変わりありません。
まずはユーザーの目的を理解しそれに沿った内容を検討しましょう。
③心理的ハードルを下げる文言にする
ユーザーの視点に立ち、行動のハードルを下げるような工夫をしましょう。
例えば「定期注文する」を「定期便をはじめる」にしたり、「サンプル購入」を「サンプルを試してみる」にするなど、文言のニュアンスによって心理的ハードルを下げることが可能です。
有名な事例として、アメリカの元大統領オバマ氏のキャンペーンサイトが挙げられます。
CTAボタンでABテストを行った結果、「LEARN MORE(もっと情報を知る)」というボタンは元々の「SIGN UP(登録する)」よりも18%もCVが改善されたというものです。
その他、「無料で」と言ったお得感を明示したり、「○秒で完了」「たったの○ステップ」など入力の簡単さを入れることも心理的ハードルを下げることに繋がります。
また、文章にはユーザーの行動を動詞として入れると、”自分ごと”として捉えられるので行動に促しやすくなります。
例えば「問い合わせ」を「メールで問い合わせる」に、「注文」を「ご注文フォームへ進む」に変えるなどです。
④シンプルな言葉にする
マイクロコピーは、シンプルで一目で分かりやすいものにしましょう。
①〜③の内容と矛盾するのではないかと思われますが、上記は必ずしも1つの文章内に入れる必要はありません。
注釈として小さいフォントで入れたり、ボタンの外にテキストとして入れたり、「無料」や「○秒で完了」などの独立させられる文言は色を分けてラベルとしてデザインに入れ込むのも有効です。
ボタン単体をCTAとして考えるのではなく、「ボタンをクリックする行動を促すためのセクション」と捉えると良いでしょう。
まとめ
以上、CTAの役割や考え方、マイクロコピーの改善ポイントをご紹介しました。
マイクロコピーは近年特に注目されていて、ライティングを学ぶ人にとっても注目したいコンテンツです。
まずはユーザー視点に立って考えることからはじめ、ABテストを実施しながらCTA改善につなげましょう。
デザイン、配置についても今後記事にしたいと思います!